森瀬繁智さんのご著書「キミは『怒る』以外の方法を知らないだけなんだ」は、私にとって至言の宝庫でした。冒頭部からして
怒りやすい相手に怒り、怒りにくい相手には怒れず、グッと我慢しているんですよ
と、本質を突いたお言葉が、さらりと書かれています。
「耳が痛い」では済まされない、できれば認めたくない自分の暗部を暴かれたような衝撃の幕開けとでも申しましょうか…。
冷静さを取り戻し、内省してみたところで、反論の余地はありません。
確かに、明らかに反社会的な雰囲気を漂わせている人や、筋骨隆々で上背が2メートル近い体躯の持ち主から不快なことをされたとして、自分がいつもどおり怒りをあらわにはできるかといえば、恐らく無理だろうと納得させられます。
この本に書かれている森瀬さんのお言葉は、
それはそれは、私に刺さるものばかりでした。
誤解がないように申し上げれば、この本には、アンガーマネジメントの基本技術から、怒らない体質をめざすための意識の持ちようまで、ユーモラスにテンポよく、森瀬さんのお考えが盛り込まれています。
柔らかで分かりやすい文章で書かれており、読み手に寄り添う姿勢が随所に感じられる優しい本だと感じます。
ただ、山あり谷ありを経たうえで大成功を収められた森瀬さんから発せられる言葉は、軽やかな表現を纏っていても、重く、深く、心に響くのです。
スピリチュアルが不得手な私が申し上げるのもなんですが、得も言われぬ力が行間にみなぎっているようにすら感じます。
著作権を侵害してはならないことは承知していますが、もう一文だけ、森瀬さんのお言葉を引用させていただきたいと思います。
一瞬、幸せになりたいのなら怒ればいい
でも、一生幸せになりたいのなら、ゆるしたほうがいいんだなぁ
著名な詩人へのリスペクトやパロディに関する造詣を感じさせつつも、この破壊力。
私にはずしりと重く響くのです。
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